馬の去勢を行いました[閲覧注意]

あて馬として使っていた馬を乗馬にするということで去勢の依頼がありました。

手術は、立位で行いました。

手術は午後からでしたが、当日朝から口かごをして絶食をしてもらいました。

術前検査・皮膚を切開して精巣を露出

デトミジンとベトルファールにてしっかり鎮静と鎮痛をして、陰嚢にも局所麻酔をします。

昔は現場で麻酔と言えば、GGEを使ってトリプルドリップで寝かせていたのですが、トリプルドリップに使うケタミンが麻薬指定となったため取り扱が非常に面倒になったため使用をやめてしまいました。なので寝かせる必要がある場合には二次診療施設に依頼しています(もちろん今も現場で全身麻酔をする先生もたくさんおられます)。

しかし、立位でも十分な鎮静と鎮痛が得られるので去勢をすることに不安はありません。

十分に麻酔の効果が現れたら、陰嚢を消毒して皮膚を切開しました。次に精巣を取り出して一部じん帯を外して去勢器で圧迫しました。最近、馬の去勢はヘンダーソンの去勢器といって、ドリルでぐるぐる回しながらねじ切るという事が広くおこなわれていますが、私は昔ながらの器具を使っています。

去勢器で血管を挟み、3分以上駆血後、完了

3分ほど圧迫および駆血して、しっかり駆血されているか確認して抗生物質と痛み止めの注射をして終了しました。

彼は、去勢当日は麻酔の影響があるので絶食させましたが、翌日からは元気で食欲も変わらずでした。1週間後に行ってみるとすでに乗馬として乗られていました。

去勢は馬も牛も基本的な手技は同じですが、牛は日常的に去勢をするのに比べ馬はそうでないので普段以上に緊張感をもって手術を行いました。

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