馬 皮膚炎 けいくん

繁殖馬のけいくんを自家治療しても治らないようです。

左後ろ足は皮膚炎がひどくて球節を沈下、伸ばすことができません。

 

そこで始めの3日間は抗生物質を注射して、

同時に2週間はアカエゾマツ軟膏を塗布しました。

腫れはかなり引いて、球節は沈下できるようになりました。

けいくんにはアカエゾマツ軟膏が効いてくれることが多いです。

後ろ足を前から撮っています。

左足の腫れもスッキリしました。

酪農学園大学、大塚先生からも助言を受けマス

交流のある酪農学園大学の大塚先生に杉山伊藤牧場さんをみてもらい助言を受けました。 特に黒毛和種子牛の飼養管理において、指導者により考え方が大きく違います。 私は先生の考え方と近いのでとても楽しい時間を過ごさせてもらえます。 必要に応じ血液検査もお願いしています。もちろん有料です。 子牛の状況を見ながらディスカッションさせていただき、最善の方向を見出していきます。 少し目線を変えることで子牛は少しの期間で見違えるほど変わります。 良くなった子牛たちをみると獣医師冥利につきます。  

タデくうむしもすきずき

秋になると放牧地に赤い草が生えています。 キレイ? 馬はあまり好きではないようです。 タデ(蓼)です。 「蓼食う虫も好き好き」ということわざを知ってるかいと牧場のスタッフに聞いても知っている人は少ないので会話は続きません… 蓼は蕎麦の仲間でそのまま食べるととてもにがいです。要するにまずい。そして 蓼は土地が栄養不足の時に多く生えて来ます。 たくさん生えている放牧地は要注意です

クライアント

長くこの仕事をしているとクライアントの皆様との関係もファミリーと言ったほうがしっくりとくるのかもしれません。だからこそそれに甘んじることなく日々研鑽しより良い医療を提供していきたいと思っています。

子牛の骨折

3週間前に飛節を完全骨折した子牛。人の足でいうなら足の裏のかかとの近く。 生まれて半月位までの子牛なら4週間もギブスをしておけばくっついてしまいます。 さすが子牛は再生力があります。 人なら足を動かさないでと言えるのでしょうが牛はそうはいきません。 それでギブスの中で足を動かそうとして、ここでは飛節がギブスにあたり皮膚が壊死する危険があります。その心配から早めに一度外しました。 付け替えて1週間後にギブスを取る予定です。

子牛の黄疸
閲覧注意

解剖すると皮膚の下は黄色くなっていました 肝臓は大きくなり、黄色くなっていました。 胆嚢は大きくなって、本来なら胆汁は十二指腸に出ますが、胆管がなく十二指腸とつながっていませんでした。 胆汁はでるところがなく肝臓に逆流してしまいました。 胆汁は細胞を壊す作用があるので肝臓がどんどんやられてしまいました。  

子馬の逆さまつ毛

生まれた子馬が涙を流しています。 よく見ると下のまぶたが反転して眼球に接しています。 このままでは眼球に傷がついてしまいます。 軽く鎮静をして、局所麻酔をしてから 下のまぶたを元に戻して医療用のホチキスで留めます。 少し、あかんべーのようにしておくのがポイントです。 抗生剤の目薬をつけて様子を見ると数日後には治っています 抜糸して完治です。

馬のフレグモーネ

治りづらい病気

馬は感染に弱く、ちょっとした怪我でも化膿したり腫れたりすることがあります。その中でも厄介なフレグモーネという病気があります。傷などからバイ菌が入って皮膚の下が腫れてしまいます。皮膚の下に炎症が起こるので全身に抗生物質を注射しても患部には十分な量が届かず、腫れがもとに戻ることが困難であることもしばしばです。

最近の治療

足の下から駆血するゴムを巻いていきます。上まで巻いたら一番上だけを残して下のゴムをはずします。すると完全ではないけれどゴムより下は血液が少ない状態で全身の循環とは隔離された状態になります。そこへ静脈の中に抗生物質を入れるとゴムより下に十分の抗生物質が行き渡るのです。抗生物質の量は全身に注射する量よりずっと少なくて済むので副作用のリスクも少ないのです。ゴムは30分ほどしてから外します。

新しい処置法

この治療法はリージョナル パーヒュージョン regional perfusion と言い最近は普通に行われる処置ですが、私が若いころには思いもつかない方法でした。この方法を使い抗生物質だけでなく局所に高濃度に薬を届けることもできるのです。改めて現場でできる処置も進化しているなあと想うこの頃です。